住田の森林のおくりもの~有住小学校5年生 平成24年度

2015年2月24日

今年度の新たな森林環境学習として、有住小学校の5年生11人が「住田の森林のおくりもの」に取り組みました。
これは、昨年度有住小学校の5年生が取り組んだ「たたら製鉄体験学習」の内容をより充実させたもので、様々なゲストティーチャーに入ってもらい様々な角度から情報を収集し、子どもたちが自ら準備して製鉄を体験し、さらに、その様子を子どもたちが取材し、最後には取り組んだ内容を住田テレビで町民のみなさんに伝えようというもので、総合的な学習の時間を約20時間使って取り組みました。

地域の産業の歴史や文化について学習や体験活動を通して理解し、自然と人との関わりについて自己の考えを深め、故郷住田に誇りを持ち、その一員としての自覚をもってもらうことを目標に行われたものです。

【単元のオリエンテーション】
10月23日、町教育委員会の佐々木哲也指導主事を講師にオリエンテーションが行われました。
国語の教材「森林のおくりもの」の学習内容を振り返り、様々ある「森林の恵み」の中の一つに「鉄」があることを学びました。
子どもたちは一見何の関係もないように思われる「森林」と「鉄」にどんなつながりがあるのかと疑問を持ち、その疑問から、本単元「住田の森林のおくりもの」がスタートしました。
また、本町が森林林業日本一を目指して取り組んでいること、「栗木鉄山」に代表されるように本町でも古くから製鉄に取り組んでいたことを学びました。


【「栗木鉄山」のミステリー】
10月24日、町教育委員会の佐々木喜之社会教育主事補を講師に栗木鉄山について学びました。
栗木鉄山は、かつて種山にあった製鉄所で、最盛期には鉄の生産量が日本で第4位(民間では第3位)を誇り、従業員五百数十人と一大製鉄村を築いていた場所です。
町内の大人でも、その存在を知らない方が多い「栗木鉄山跡」ですが、国有林の中にあったことが幸いし、高炉の基礎部分等が地面の下に良好な状態で保存されており、岩手県の史跡に指定されています。


【鉄はどのようにつくられるのか?】
11月5日、住田町立世田米中学校の内海行校長先生を講師に製鉄について学びました。
内海先生は、鉄分を含む石と含まない石を磁石を使って説明。鉄が自然界にどのような形で存在するかを学びました。


子どもたちも磁石を使って体験しました。


炉に空気をおくる「ふいご」も紹介。子どもたちも興味津々です。
また、たたら製鉄について、「和鋼風土記」のビデオで理解を深めました。


【取材の仕方を教わろう!】
11月6日、住田テレビの駒林拓チーフが取材の仕方を教えてくれました。
子どもたちは、駒林さんの分かりやすい説明のおかげで、ビデオカメラの使い方、取材・原稿作成のポイントなどをしっかりと理解することができたようです。


【製鉄体験の準備】
11月7日、住田町立世田米中学校の内海行英校長先生の指導のもと、たたら製鉄の準備作業を行いました。
原料となる鉄鉱石は、炭で熱した後、水に入れて急冷し…


ハンマーで細かく砕きます。


燃料の木炭も細かく砕きます。


そして炉の作成。耐熱レンガを積み上げ、すき間を粘土で丁寧にふさぎました。




たたら炉の完成です!


ビデオカメラを手に、取材もしました。


【製鉄にチャレンジ】
11月9日、いよいよ製鉄体験の当日です。
この日も世田米中学校の内海先生の指導のもと、製鉄にチャレンジしました。

午前8時、炉に火が入りました。


原料の鉄鉱石を計量します。


燃料の木炭も計量します。


計量した鉄鉱石と木炭を炉に投入していきます。


今回は、鉄鉱石500グラム、木炭1kgをおよそ10分間隔で投入しました。




火の勢いが増してきました。


同時進行で取材もしています。






製鉄は、とても時間がかかります。
子どもたちは一旦教室に戻って通常授業。その間、大人が炉の様子を見守りながら原材料の投入作業を続けました。


火入れからおよそ4時間後、ノロ出しを行いました。
ノロ出しとは、鉄以外の不純物を出す作業で、この作業がうまくいくかどうかが、製鉄の結果を大きく左右します。


ノロ出しは成功!真っ赤に溶けたドロドロとした液体が流れ出るのを見ると、子どもたちから「お~!」と大歓声があがりました。


内海先生もひと安心。


ノロを、水に入れて急冷し…


「磁石にくっつかない」=「鉄ではない」ことを確認ました。


子どもたちは、このノロという不思議な物体にも興味深々でした。


引き続き、原材料を炉に投入していきます。
途中、消石灰も少し入れました。


炉に空気を送る羽口から炉の中を見ることができます。


炉の中は真っ赤。かなりの高温になっていることが分かります。


火入れからおよそ6時間後、炉の解体がはじまりました。


離れていてもとても熱い!




見えました!真っ赤になっているのが、鉧(けら)と呼ばれる加工する前の鋼です。


鉧を水に入れて急冷。


タライの水はあっという間に沸騰しました。


鉧をグラインダーで削ってみると火花が…金属であることの証明です。


削った後はこの金属光沢!
もちろん磁石にくっつくことも確認しました。


この日は、13kgの鉄鉱石と60kgの木炭を使用し、2.7kgの鉧を取り出すことができました。
大成功です!


子どもたちもとても満足した表情。


今日の感想を取材ですね。


参加者全員で記念撮影。大人も子どもも、みんないい顔をしています(^^)


【ビデオ収録】
11月29日、住田テレビさんに全面的に協力していただき、子どもたちのアナウンスを収録していただきました。
子どもたちは、今まで体験してきたことを原稿にまとめ、一人ひとりカメラの前で原稿を読みました。


下のビデオがその成果です。
有住小学校5年生が取材・原稿作成・アナウンスしたものを、住田テレビが編集し、実際に住田テレビのニュース番組として放送されたものです。
どうぞご覧ください。
↓下の写真をクリックすると、別ウインドウで動画を見ることができます。

■ビデオを見る■


【栗木鉄山見学】
当初の予定にはありませんでしたが、子どもたちから「ぜひ栗木鉄山跡に行ってみたい!」との声が上がり、11月29日、町教育委員会佐々木喜之社会教育主事補の案内で栗木鉄山跡を見学しました。




子どもたちはみんな、とても真剣に見学していました。
「住田の森林のおくりもの」に取り組んできたからこそ理解できること、感じることがあったと思います。
その理解したこと・感じたことを、いつまでも大切に、忘れないでくださいね。


この取り組みを通して、子どもたちは大きく成長しました。
「住田の森林のおくりもの」の体験を通して住田のよさを感じ、また、他の森林環境学習で感じた住田のよさを積み重ね、自分の故郷に誇りをもち、一人でも多くの子どもたちに「住田が好き!」と思ってもらえたら嬉しいです。
有小5年生のみなさん、おつかれさまでした!



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